発達障害のある方が専門学校へ行ってできること

発達障害のあるお子さんを持っている親の場合、子どもの進路について深く思い悩む人は少なくありません。高卒で就職するべきか大学進学を目指すべきかなど、お子さんにとって何が一番良い選択なのか決めかねているという方もいらっしゃることでしょう。

専門学校へ行くというのも、たくさんある選択肢のうちの一つになります。専門学校の特徴やメリットを知り、進路を考えるときの参考にしましょう。

発達障害を持つ方の就職の難しさ

専門学校に行くにしても、大学へ進学するにしても、進んだその先に待ち構えているのは就職という高い壁です。

日本学生支援機構による2016年度の調査では、発達障害の診断書を持つ大学生は3519人いるとの結果が発表されました。同時に、卒業生の中で就職できたのは34.7%しかいないということも発表され、そう簡単には就職することができないという状況が浮き彫りになりました。

コミュニケーションに不安を感じやすかったり、自分の思いをうまく言葉にできなかったりする人は特に、就職活動の要である面接でつまずいてしまう傾向があるようです。そもそも自分に向いている仕事が何か分からず、意欲的に就活に取り組めない方もたくさんいます。

高卒で働く場合

勉強や進学に興味がない、あるいは経済的状況から進学は考えられないというような場合では、高校を卒業したらすぐに働くということが考えられます。当人の適性があり、ストレスの少ない環境で働くことができれば、長く働くことができるでしょう。

大学に進学した場合と比べると、約4年分もの支出の違いがあることもポイントです。

大学に進学していた場合にかかる学費と、その4年の間に稼ぐことができるであろう金額を比較してみるのも判断基準の一つになります。一方で、高卒で働く場合には正社員としての就職が難しいという点がネックになります。

高卒で派遣社員やアルバイトとして働いてみて、なかなか職場になじめず転職などを繰り返した場合、年齢が上がってくるとともに採用してもらえる会社はどんどん少なくなっていきます。どこかのタイミングで長期的に働き続けられそうな職場を見つけられれば良いのですが、お子さんの特性によってはそれも難しい場合があります。

高卒で働く場合は給料が低くても、特別な資格が必要なく、長く続けられそうな環境の職場を探すことがポイントになります。可能であれば昇給が望めたり、当人が意欲的に取り組めたりする仕事であればより望ましいでしょう。

また、高卒ならば、いったん就職してからでも進路を変更することが十分にできる年齢だと言えます。一度働いてみて、それからもう一度学校に通い直すということもできます。

専門学校と大学の違い

もし、お子さんが何かすごく好きなものやことを持っていて、それに関連する仕事に就きたいというような考えを持っているのだとしたら、専門学校に行くことをおすすめします。専門学校であれば、当人が好きなことを存分に学べる上に、それを仕事にすることもできる可能性が高いからです。

専門学校は、各分野の技術や知識を学ぶことにより特化した学校であると言えます。大学との大きな違いは、就職に繋げられる可能性が非常に高いという点です。大学でも様々な分野の詳しい知識を学ぶことができますが、就職できるかどうかは個人個人の就活の内容によって決まります。

専門学校では就職先の紹介をしてもらえることもあるため、より確実な就職を見越した進学を考えているのであれば、専門学校に通うのが近道でしょう。

専門学校のメリット

専門学校では、就職に強いことのほか、資格を取ることができるなどの様々なメリットがあります。専門的な技術や知識がなければ取得することができない国家資格などは、独学で勉強するには限界があります。きちんとした設備や教えてくれる講師陣などが揃った専門学校であれば、そのような資格を取るのも難しくありません。

もう一つ大きなメリットとして、発達障害の人も通いやすい雰囲気が専門学校にはあるという点が挙げられます。もちろん、学校ごとによって雰囲気は異なるので、選んだ専門学校が必ずしも自分の子どもに合った環境であるとは限りません。

ただ、高校までとは違い、その学校で学ぶ内容が好きであるという共通点を持つ人たちが専門学校にはやってきます。つまり、同じような興味や好みを持っている人たちと一緒になって学ぶことができる環境で過ごすことができるため、友達の幅が広がる可能性もあるのです。

人とあまり交流したくないという場合でも、自分が好きなことを学ぶことができる場所は魅力的に思えることでしょう。お子さんがはっきりとした興味の対象を持っているならば、その分野の専門学校を探してみるといいかもしれません。

発達障害のある方におすすめの専門学校の例

もし数字やパソコンなどに興味があるのであれば、プログラマーやシステムエンジニアを育成する専門学校がおすすめです。発達障害のある方の中には、同じ作業を淡々と繰り返すのが得意であるという人もいます。そういった方の場合、プログラマーなど、プログラムをチェックする単純作業の繰り返しの仕事でも苦にならず続けることができるかもしれません。

実生活と切り離せないほどインターネットが深く日常に根付いている現在では、インターネット関連の仕事は今後なくなることはありません。会社によっては高収入を望める場合も十分にあるため、身につけておけば損はしない知識を学ぶことができると言えるでしょう。

確固たる技術を持っていれば、フリーランスでも仕事ができるなど、柔軟な働き方ができる点も魅力です。そのほか、当人の興味のある分野に合わせて様々な専門学校を選ぶことができます。食べることに興味がある場合、調理師や管理栄養士の資格を取れる専門学校がおすすめです。

自動車やバイクが好きであれば、整備士の専門学校などがよいでしょう。

⇒専門学校で1人ぼっちの学生のみなさんへ

本人の適性とやりたいことを見極める

発達障害を持っている方の中には、他の人はやれるのに自分にはできない点ばかりが目につき、自分にやれる仕事なんて何もないのではないかと絶望的な気持ちになる人が少なくありません。同様に、発達障害を持っているせいでこの子の将来の選択肢の幅は狭くなってしまうのではないか、と不安になってしまう親も多くいます。

確かに、本人の持つ特性が社会一般の規格になじめず、そのせいで就職が難しかったり、仕事が長続きしなかったりということはあります。しかし、その点だけを取り上げて自分自身の全てを否定する必要はありません。できないことがたくさんあっても、自分ができる一つのことを大切にすれば、いつかその一つが自分にとって大きな武器になるかもしれません。

そしてもし、やりたいことや好きなことがはっきりわかっているのであれば、それに向かって突き進みましょう。発達障害を理由に諦めてしまう必要はないのです。専門学校を筆頭に、夢を叶えるための手段や進路はたくさんあります。

重要なのは、本人がどのような性質を持っているのかをしっかり把握すること、そして本人が将来やりたいことを一番に優先して考えるということです。様々な苦労があるかもしれませんが、親のサポートがあればきっと乗り越えることができます。